2021年になりましたが、改めて、携帯会社各社の経済圏が注目を浴びています。2020年4月に新規参入した楽天を加えた、4キャリアが総務省から周波数帯を借りて、事業を行っています。もともと、楽天経済圏が注目されつつあったなかですが、4社ともに経済圏という囲いこみ施策を打ち出してきています。
- 楽天モバイル:楽天経済圏
- ソフトバンク:PayPay経済圏
- NTTドコモ:dポイント経済圏
- KDDI:au Pay 経済圏
のように、4社が凌ぎを削っています。
この事業体の中で、古参の楽天がグループ会社の多さで一歩リードしていますが、PayPayを中心に後発がもの凄い勢いで追い上げている状況です。
経済圏を語るうえで、大事なものが2つあります。それは、経済圏への「パスポート」と、「ポイントの出口」です。
ポイントは使ってこそなんぼ、の世界なので、先にまず出口を決めることが重要です。
経済圏へのパスポート
まず経済圏を利用するにあたって、真っ先に必要なものはクレジットカードです。
楽天なら楽天カード、PayPayなら、4月からYahooJapanカードからブランド変更されるPayPayカード、NTTドコモはdカード、KDDIはau PAY カードといったクレジットカードを発行しています。
おおよそ、年会費無料の一般カードと、有料のゴールドカードがありますが、まずは無料のカードを作ってしまいましょう。
このクレジットカードを使って、日常生活も含め、ポイントを貯めることが第一歩となります。
経済圏の中、例えば、PayPayモールなどで利用すればポイントが貯まりますが、経済圏の外のお店でも、コツコツ1%還元でポイントを貯めていきましょう。
ポイントの出口
次に、最も大事なものが、自動的に支払えるポイントの出口があるかどうか、という点です。
楽天市場などのショッピングモールでポイントを利用するとなると、有効期限を気にしないといけず、どうしても余計なものを購入してしまいます。買う必要のないものは、とにかく買わない。なんなら、メルカリやラクマで購入した方が安いこともあるので、無理にショッピングする必要も本来はないのです。
ポイントはなるべく、固定費に利用しましょう。
各社、それを分かってなのか、自由化された電気、ガス、そして携帯事業に投資をしています。電気やガスは世帯数しか契約数がありませんが、携帯事業は個々人が契約し、2台持ちする人までいますので、契約者数の裾野が広いです。また、1度契約すると、何度も変更するサービスでもないため、囲い込みがしやすい、そういった強烈なメリットがあります。
楽天が新規参入で携帯事業を選んだのも、そういった理由があります。
もちろん、ビジネスとして利益率が高い、基地局を整備して、契約をさせる、といったビジネスポイントがシンプルなことも考えられます。その分、規制産業で参入障壁が高いことや、日本は後発が不利な周波数帯を扱わざるを得ないため、競争環境上不利といったデメリットも存在します。
とにかく、経済圏に入る時、自分がどのような出口を使うのか、は念頭におきましょう。
私の場合は、楽天なので、電気(楽天でんき)、携帯(楽天モバイル)を出口に据えていますが、今後は、臨機応変に検討しようと思っています。楽天が強いのは、金融事業で楽天証券を持ち、つみたてNISAの口座にしている人が多いことでしょう。
KDDIこそ、MUFGグループのauカブコム証券を有していますが、NTTドコモやソフトバンクはネット証券を持ってはいないため、その点で消費者をグリップできていません。今後、PayPay経済圏が、One Tap BuyをPayPay証券にするため、スマホに加えてネット最適化してくるのか、ということも注目です。
楽天証券が、つみたてNISAの楽天カード決済で1%の楽天ポイントを付与しているのは、実はかなり大きいと思っています。
まとめ
このように、毎月定期的に出ていく出費に、経済圏をかませることで、確実に現金支出を抑えることが出来ます。
ゼロから経済圏を作るには、事業者がどういったことを考えているのか、を想定してみると、”より良い囲まれ方”が出来るはずです。私も、そういった視点で、経済圏を取捨選択していきたいと考えています。
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