おはようございます。
マイクロソフトが突然、法人向けにWindows 365というサブスクリプションサービスを提供することを発表しました。
この発表されたWindows 365ですが、今後の5年、10年という中期的な単位で振り返ってみると、人々がコンピュータを利用する上で、その利用シーンが大きく変わる革新的な製品になる可能性が高いと考えています。
今回発表されたWindowsを利用できるのは、マイクロソフトと契約している一部の法人だけに限られています。今後、このWindows365が普及してくると、どこかのタイミングでコンシューマー向けにも導入されるとは思いますが、初期の段階では、クラウドの利用状況も確かめたいのか、法人向けに制限されています。
この製品のメリットは、場所を問わずに、クラウドのWindowsを利用することが出来るため、クラウド上でのファイル保管、セキュリティ、管理といった点が、柔軟に出来ることでしょう。
昨年から多くの人が経験しているであろう在宅勤務とも相性が良く、マイクロソフトとしては、Microsoft 365に並ぶ、サブスクリプション収益の柱にしたいはずです。
Officeが売り切り型から、サブスクリプションに移行したのと同様に、Windowsのライセンスを、売り切り型から、サブスクリプションに転換する製品になるでしょう。
サブスクリプションだと、継続的に一定の売上が読めますし、クラウドで囲い込むことで他社へのスイッチも難しく、かなりメリットが大きいものです。
当面の間、コンシューマー向けには、変わらずにデスクトップ向けのWindowsを販売するとは思いますが、一部の企業は、少しずつこのWindows 365に置き換えていくと考えられます。
Windowsのライセンスは高価なもので、従業員の増減に伴い、ラップトップを手配しなければなりません。しかし、このクラウド型であれば、その都度、契約をすることで事足りるため、ランニングコストが柔軟に設計できます。
また、私も経験しているのですが、会社に出社する理由の一番は、端末の故障です。
ラップトップ、携帯電話といったハードが故障した時は、どうしても会社のIT室に持って行く必要があります。そして、そのいつ起こるか分からない故障のために、一定規模の人員を会社も待機させないといけません。一方で、今回のWindows365であれば、従業員の自分のハードを利用することを想定していると思いますので、故障した場合は、直接PCメーカーとのやり取りとなります。また、その際でもクラウド管理されているので、セキュリティも強固なものです。
このサービスでは、ストリーミング映像をPCに映し出すだけなので、実質YouTubeを観ているのと変わらない形になります。PCはもちろん、iPadでの利用も想定されているそうです。
残念なのは、Linuxも含まれてはいますが、Chromebookが対象に入っていないことです。恐らく、この形のWindowsと最も親和性が高い端末がChromebookなので、今後どのように折り合いを付けていくのが注目したいです。
そして、Chromebookのように、ある程度の端末があれば、それで十分なのです。今後は、ラップトップの性能を競う時代ではないのかもしれません。随時、マイクロソフト側でサーバーのコンピュータをアップデートしてくれるため、ユーザ側で端末のアップデートはもう必要ありません。
ゲーム機では、GoogleのSTADIAというクラウドゲームがありますが(2021年時点、日本ではまだサービスインしていません)、これは任天堂Switchと異なり、クラウド側でゲームの処理を行い、それを画面にキャストする形を取っています。このゲーム機を同じことを、Windowsでもやってみせよう、というのが今回のサービスです。
日本ではまだ都心部しか5Gが普及していませんが、5Gから6Gの普及、光回線の速度の更なる向上が生まれれば、確実にこちらにシフトしてきます。
Windows自体も、Windows10、2021年度中にWindows11も搭載されるようです。
遅かれ早かれ、クラウドコンピューティングが標準になる世界、楽しみで仕方ありません。
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