先日、NTTドコモから、業界を揺るがす、安価な料金プランが発表されました。
その名も、「ahamo」という新プランです。
2020年4月に、第4のキャリアとして正式展開した楽天モバイルと、同じ2,980円という料金で打ち出されました。
楽天モバイルは、「ワンプラン・無制限・安価」を売りにしていたため、この「安価」という部分が、NTTドコモの攻勢にあっている、という状況になりました。
もちろん、ソフトバンクやKDDIも黙ってはいないと思うため、今後、サブブランドでの価格競争も起き、「20GB・2,980円」という金額が、一つの目安になることは間違いないと思います。
MVNOの日本通信も、NTTドコモに対抗して、20GBで1,980円というプランを発表し、この1,980~2980円の価格帯での各社の競争は激しくなるものだと予感されます。
短期的に、消費者としては有難い限りですが、楽天モバイルにとっては、厳しい状況に追い込まれました。
以前、インタビューで三木谷社長が、値段を下げる余地はある、と語っていたので、まだ値段を下げる余地はあるのでしょうが、当然ながら、売上が減る話なので、本音はやりたくないでしょう。
三木谷さんになったつもりで、今後の展開を幾つか予想してみました。
パートナー回線20GBに増強する
楽天モバイルは、地方など、自社回線が整っていないエリアでは、KDDIから電波を借りるローミングという仕組みで、事業を行っています。
元々3月の発表時は、2GBだったのが、4月のサービス開始時に5GBに増えた経緯があります。
この5GBを思い切って、NTTドコモと同様の20GBまで増やす、という方法です。
そうすれば、見た目、20GBというバックストップがある状況で、更に「無制限」を打ち出しているので、地方であっても、ある程度、競争力のある打ち手になると思います。
しかし、問題が、KDDIにギガ単価500円程度の支払いが生じるため、早急に自社回線を普及させないと、KDDIに支払う費用が増加してしまうことです。
ちなみに、現時点でも、超過後1Mbpsですが、KDDIにデータ利用料は払っているはずなので、ユーザーが利用したものを払う、という観点では同じことだと思われます。
2021年夏に楽天回線の人口カバー率96%を目指しているため、KDDIへの支払いも実質少なく出来るはずなので、短期的な痛みを伴いますが、気休めとしてはあり得ることでしょう。
無料期間をもう1年延長
現在契約しているユーザーに恩恵があるのが、無料期間をもう1年延長することです。
NTTドコモのahamoがサービスインするのが3月で、楽天の無料キャンペーンが終わる4月と入れ替えになってしまうため、この4月にもう1年無料期間を延長する、という発表をすることです。
折角、多大なマーケティングコストを支払って、既存会員を増やしてきた経緯があり、現時点で楽天の顧客になっているユーザーの離反は、是が非でも避けたいと考えているはずです。
MVNO事業を除く、MNO事業で楽天モバイルに売上が立たないので、ユーザーから2,980円という金額は回収しつつ、同等の楽天ポイントを付与し、楽天市場や楽天経済圏の活性化を狙う、グループ事業の最大化を目指す、という発想もあるのではないでしょうか。
無料会員の枠を増やす
現時点で、300万人といわれている無料となる人数ですが、この人数制限を取り払うことはあるでしょう。
そもそも、これだけ安い、というか無料のプランを提供していますが、200万人にも到達していないので、枠を数百人単位で増やしたところで、大勢に影響がないようにも思えます。
SPU倍率を上げる
既存顧客の離反を防ぐため、現在+1倍のSPU倍率を大幅に上げる。
実は、先ほどの無料と比較するとインパクトが低いのですが、これをやるのであれば、一定期間、月会費と同等のポイントをばら撒くような気もしています。
値段を2,980円から下げる
楽天モバイルの料金は、まだ下げれる余地があると、読売新聞のインタビューで語っています。

正直、楽天モバイル単体での収益を上げるのに、現時点での損益分岐点700万人が上振れし、基地局運営費などの固定費があることから、倍の1,400万人とまではいかないにしろ、1,000万人にはなるのではないでしょうか。
料金を幾らにするのかは悩ましいですが、キリがいいところで、1,980円、といった価格帯はあり得ると想定しています。
自社努力で出来ること
今まで書いたことも、赤字を許容すれば、自社で出来ることですが、次のような点は少なくとも対応して欲しいですね。
my楽天モバイル アプリのUI改善
楽天モバイルに限った話ではありませんが、楽天は、楽天カードでUIの改善に力を入れています。
特に、顧客からの要望に答えるかたちで、次々に改善をしているので、モバイルでも同様に少しずつ改善を重ねていって欲しいです。
プラチナバンドの取得
最も重要ですが、自社では懇願することしか出来ないことに、周波数を獲得することがあります。

本来ならば、官製値下げではなく、市場競争を通じた値下げが筋なはずで、周波数帯を整理し、特に新規事業者にプラチナバンドを付与すれば、実現できたと思うのですが、今こそ、楽天は不利益を主張し、早急にプラチナバンドを割り当ててもらえるよう、交渉をする時だと思います。
プラチナバンドさえ獲得できれば、電波が建物を回り込むため、かなり繋がりやすくなるはずで、楽天回線がつながらないという評判を打破できる可能性があります。
自社MVNOの会員を繋ぎとめる
もう忘れてきている気がしますが、楽天モバイルは元々、NTTドコモから回線を借りて、格安SIM事業を運営していました。
今も当時のユーザーには、MVNOサービスを提供しているのですが、そのユーザー数は230万人だったとも言われています。
ahamoの登場で、旧スーパーホーダイの価格帯の利用者が、2,980円のahamoに乗り換えることは十分にあり得ます。楽天は、少なくとも、このMVNOユーザーを自社に繋ぎ留めないといけません。
産経新聞によると、「楽天が3~5ギガの低容量プラン検討 1000円台も」と記事が出ています。

恐らく、この1,000円のプランは、MVNOの楽天ユーザーのみに提供されるのではないか、と読んでいます。プランを複数にすると、折角の楽天の取り柄の「ワンプラン」を失ってしまうことに繋がるからです。
ここの社内マーケティングは、意外に早急に対処しないといけない箇所にように感じています。
まとめ
楽天モバイルは、元々、日本で実証実験した商品を海外展開する、という目標のもとで、楽天モバイルをローンチしているように思えます。
ドコモに勝つ必要はない、日本では収益トントンで十分。700万人から上振れすれば儲けもの、くらいに考えている可能性も十分にあり得ます。
楽天経済圏であれば、携帯料金がタダになる、将来的には宇宙ロケットからの通信網がある、という将来的なことを匂わせつつ、赤字幅を見積もりつつ、自分たちに出来る最善の手を打つしかないでしょう。
個人的には、無料サポーターから使わせてもらっていますし、新しい技術でのコストカットという方向性には賛同しているので、何とか踏ん張って欲しいと応援しています。
コメント