楽天モバイルの今後の契約見通し

楽天モバイル

おはようございます。

昨日、総務省の会議があり、その後に楽天モバイルが行った記者会見にて、楽天モバイルから今後の契約者数の目標が語られました。

正式サービスを開始してからこの13ヶ月という期間で、410万人を獲得し、好調といっていい出だしになっていますが、更に2-3年後には900万件と、おおよそ1年あたり200-300万件の積み上げを想定している模様です。

 ・23年900万件
 ・25年に1500万件

23年と25年の差を比較をすると、2年間で600万件を考えているので、1年あたり、おおよそ300万件という計算です。

普通は、段々とマーケットシェアが高くなると、コストをかけないと加入者数が伸びにくくなるはずですが、楽天は1,500万件は十分に視野に入れていることが伺えます。

今後の展開

三木谷さんは、いつも日本でナンバーワンのキャリアになると言っており、確かに楽天のプランは、ワンプランを標榜するだけあり、とても単純明快で、万人受けしやすいプランだと思います。

携帯業界には、巨人のNTTドコモがいるため、ナンバーワンとは言わずとも、基地局の整備等の戦力が整いさえすれば、2,000万件も目指せるはずで、法人契約が多いドコモとKDDIの契約者数はずば抜けているとしても、1.2億人の4分の1である3,000万件までは狙えるのではないでしょうか。ソフトバンクの4,000万件が、当面の携帯キャリアとしての目標でしょう。

実際、2021年5月時点での楽天カードにおける会員数は2,100万人、楽天銀行は1,100万口座、楽天証券は600万件に迫る勢い、となっています。この中でも、特に会員数が多い「楽天カード」のユーザーに、積極的にクロスセルしていけば、2,100万人も狙えるという訳です。

そして祖業であるECサイト、楽天市場のユーザーは1億人います。

楽天得意のマーケティングを駆使することで、いま楽天カードは2,500、3,000万人の会員を目標にしており、昨今では、コロナ禍や、キャッシュレスの普及により、カードの会員が増えるスピードは早くなっています。

こうした顧客基盤となるカードを中心とした金融会員が増えれば、その分、楽天モバイルには追い風となります。

楽天モバイルがどういう試算で、1年300万人としたのかは不明ですが、最初のキャンペーンであった「300万人に限り、基本料金1年間無料」というのがありました。あれも、300をある種のマジックナンバーとして、考えている節があります。

楽天の決算をみてみると、今回の大幅赤字の原因は、基地局建設もそうですが、KDDIへ払うローミング料が、赤字のかなりの部分を占めていることがわかります。

基地局は資産性があり、一度建ててさえしまえば、長期間使えるものですが、ローミングはユーザーへの便益を図る一方で、完全なる赤字の垂れ流しです。単に、KDDIへの利益にしかなりません。

楽天としては、一刻も早く、KDDIのローミング料を減らしたいのでしょう。

東京都では、既にKDDIローミングが切られてはいますし(一部、地下などの部分では継続してローミングサービス中)、私も自分のアプリを見ると、結局は毎月3-5GBはパートナー回線を使ってしまっています。

この状況では、まだまだ当面はローミング費用がかさむでしょうし、折角、1年過ぎたユーザーから利用料(=売上)を取れるようになっても、焼け石に水の可能性すらあります。

携帯会社の契約者数が増え、アップルからiPhoneを公式に扱うことが出来たのは朗報ですが、これからは、ゆっくりじっくりと、ユーザーを増やしたいフェーズだと思います。

楽天としては、むしろ万が一、1年間で1,000万人もの契約がきてしまったら、その分がローミング費用がかかってしまい、大赤字になり、折角、基地局建設のために増資した意味がなくなってしまう訳です。

ここは、あまりアクセルは踏みすぎず、徐々にゆっくり契約数を増やしていくでしょう。

また、電波の通り道である帯域も懸念事項です。楽天が割り当てられている帯域は、ユーザーの増加に伴い、次第に逼迫して来ることが予想されます。

これには、総務省から物理的に4Gの帯域免許を付与されるか、もしくは早急に5Gの帯域にデータ量を逃さないと、ユーザー数の増加に伴い、この辺もリスクになってきます。

まとめ

今回、総務省の会議で出てきて、楽天自身が言っているように、プラチナバンドの付与は、どんなに早くても2023年だと思うので、帯域が逼迫してくるのも、ユーザー数の純増に応じ、今後の課題だと思わ

れます。

既にある5Gの帯域については、各社のエリアを見ていると、これもすぐエリアが拡大する状況でもないため、楽天モバイルにとっては、ユーザーの獲得数、基地局建設の進捗とその密度、帯域付与のための総務省や携帯各社との交渉、といった変数をうまく見ながら、ゆっくりコントロールしていく必要があるのでは、と感じています。

携帯事業は、基地局建設とユーザー獲得のマーケティングが肝とは言いますが、いよいよ次のフェーズに入ったような気がしています。

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