いまや、ソフトバンクグループのPayPayは、日本国内のQRコードにおけるシェア争いで、覇権を取りました。
全国津々浦々、ソフトバンクの営業力が大きいため、2018年頃からのQRコード決済戦争で、見事にシェアを取り、3,000万人近いユーザーを獲得しました。
これは、LINEに続いて、かなり高いシェアだと思いますし、メルカリが1,700万ユーザーくらいだと想定すると、インストールさせることにかなり成功しています。
サービス初期に、20%の大幅還元など、還元キャンペーンに先駆けて大きな衝撃を与え、2019年の政府によるキャッシュレス決済の流れにも乗りました。
また、QRコードは店舗側における導入コストも安く、専用の端末を置かなくても、PayPayのバーコードを貼れば、それで決済が可能です。
2004年頃のソフトバンクは、Yahoo!のADSLモデムをとにかく街頭でばら撒き、当時と同じ戦法でシェア獲得することが出来ました。
今回は、端末を導入することなく、PayPayからの支払い先口座さえ作れば、決済手数料をPayPayに払うだけで導入できます。
典型的なのは、地方のタクシーにも導入されていることです、これが本当に便利。地方でクレジットカードが使えなくても、現金orPayPayという例はかなり多いです。
このPayPayですが、さすがに3,000万人ものユーザーを獲得したからか、2020年においては消費者への還元は弱くなってきており、今年もPayPay単体での還元は望めないでしょう。
一方で、PayPay単体ではなく、「PayPay経済圏」として、4月からラインナップに加わるPayPay銀行や、PayPayカードの普及を目指し、トータルでの戦法に変えてきそうです。この波に乗れるように、今から準備を怠らないようにしたいと考えています。
こうした驚異的なシェアのPayPayですが、幾つか欠点があります。まず1つ目はマネーフォワードのAPIに対応していないことです。これは、今後改善すると思うので、気長に待ちたいと思います。
2つ目が、タッチ決済に対応していないことです。
PayPayですが、そもそもの利便性としては、Suicaなどの交通マネーに到底及びません。
Suicaは2000年初頭からサービスが始まり、交通インフラに根差した電子マネーや、タッチしてすぐ決済という利便性から大きく普及しました。
誰もが改札でタッチすれば済む体験をしているのですから、店舗でも同様な体験が出来ると思うのは当然ですね。
中華圏で流行ったQRコードは、インバウンド需要も刈り取れることや、何より楽天グループがEdyという決済を持っているのに対し、ソフトバンクグループが新たな決済規格を手に入れたいという思惑もあり、日本に普及してきたと思います。
しかし、店員さんとのやり取り含めて、正直、決済するのがかなり面倒です。
クレジットカード会社のQUICPayを利用している人は、QRコード決済が面倒なことは理解しているかと思います。
QRコード決済の競合であるLINE Pay、メルペイは、遂にタッチ決済(iD)を取り入れました。Suicaとは仕様は違いますが、タッチ決済はやはり便利です。
是非、2021年のPayPayには、このタッチ決済の導入を実現して欲しいです。
もしかすると、PayPayアプリ単体にはタッチ決済の機能は付与せず、クレジットカードのPayPayカード経由でiD/QUICPayを機能として付けることで、トータルPayPay経済圏として実現するのかもしれません。
既に楽天グループは、「QRコード決済、クレジットカード(QUICPay)、Edy」と揃えています。
ソフトバンクグループとしても、「QRコード決済、PayPayカード(タッチ決済)」と揃えてくるのではないでしょうか。
今年はPayPay経済圏に着目していこうと思います。
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