ANA公募増資の行方(B787の運航コスト削減効果は如何ほどに)

週末の日経新聞からのトピックスです。

全日本空輸(ANA)の親会社であるANAホールディングスが公募増資をし、最大3,320億円を調達すると発表がありました。

航空2社、公募増資相次ぐ ANAは3320億円調達
ANAホールディングス(HD)は27日、公募増資などで最大約3320億円を調達すると発表した。新型コロナウイルスの影響で業績が大きく悪化しており、財務を強化しつつ設備投資などを通じて構造改革につなげる。日本航空も増資で最大1826億円を調達する。海外の航空会社に比べると財務は健全だが、感染が再拡大するなかで備えを厚くす...

今年のコロナ禍で、通期5,100億円の赤字の見通しで、先日の劣後ローン4,000億円の調達に続いての資金調達となります。この増資を通じ、自己資本比率は30%台を維持できる模様です。(2020年9月末時点で、ANA HDの自己資本比率は32.3%でした)

折角、資金調達するので、SFC会員(ANAの上級会員制度)である私としても、何とか踏ん張って欲しいところです。日本企業はなるべく応援したいので。

さて、この増資によって得られる資金ですが、ANAの発表によると、

  • 大型機の削減
  • LCC(格安航空)事業の強化
  • 有利子負債(借金)の返済

と言われています。ビジネス需要も中期的に低迷しそうなので、観光需要を取れるLCCに力を入れるのは理にかなっていると思います。羽田や伊丹を使えないLCCと、フルキャリアである全日本空輸との棲み分けを今後どのようにするのか、は1ファンとして興味深いです。

気になったのは、「大型機の削減」の項目です。大型機の削減とは、B777の退役を指します。既に2020年になり、ANAからはB777を20機以上退役させることを発表していますが、今回は、その一方で、環境性能が高いB787への移行を推し進める、とのことです。

単純に機材を減らしたままだと、需要回復期に需要を取り逃がしてしまい、機会損失に繋がってしまいます。CAの雇用問題と合わせて、経営層にとっては悩ましい課題だろうと推測できます。

ボーイング社に対して、発注済みのB787を受け取り、今後の需要のブレに対応できる能力と、環境性能の向上を目指すそうです。B787はANAがローンチカスタマーとして関わり、初期こそ問題が起こりましたが、ANAのフラッグシップモデルといっていい機材です。

私もB787が好きで、国内旅行や、長距離の海外旅行でよくお世話になりました。室内環境が快適で疲れにくいんですよね。ANAでは10月時点で70機以上保有しており、今後100機体制にするそうです。

B777はB747の後を受けた双発機(飛行機にエンジンが2機搭載されている)で、JALはもちろん、国内外の航空会社で使われているベストセラーです。そのB777も確かに搭乗すると古さが目立つようになり、特に座席数が500座席前後と、昨今の需要が少ない環境下では、明らかに供給過剰です。

B777とB787の差を考えると、まずは座席数(国内線の787-9で395席)と、B777(国内線の777-300で514席)と比較すると100座席以上少ないです。また、エンジンも最新型のエンジンを搭載し、燃費に優れており、運航コストの低下が挙げられます。

他には、空港使用料も機種毎に定められており、現状、国から空港会社への減額要請もありますが、今後も踏まえると、安くなるに越したことはありません。

運航コストの削減がどの程度収支に影響するかはありますが、B787に早期移行することで、座席数の弾力性を増して、なるべく赤字幅を縮小させたい、そういう意図があるのでは、と思います。

ドル箱路線の国際線の需要回復は、まだまだ数年後だと思いますが、まずは国内線の調整をし、何とか事業継続に向けて頑張ってほしいです。

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